きのうのこと
2004年8月1日昨日は土曜だけど仕事があって、同僚たちと話していて、大河ドラマの話題になった。
「池田屋での吐血を見逃しちゃった」
「吐血じゃなくて喀血でしょ!」
そうだったそうだった。"吐血"は胃など消化管からの出血、"喀血"は肺や気管からの出血。どちらも口から血を吐くことには変わりはないが、薬剤師としてはその区別は正しくつけなければならないポイント。うっかり間違って、厳しいツッコミを受けました…。
でも、その時話していた同僚たち皆がその回の大河を見逃していて残念がってました。
ところで『風光る』では、池田屋での沖田の喀血は史実ではない、という検証がされていますが(池田屋の時点で喀血に至るほど結核が進行していたのなら、その後の新選組であんなに長く活躍できたはずがない…という要旨で)、その知識を同僚たちにご披露してみました。しかし、その時話してた同僚の中に呼吸器内科を担当してる人たちが2人いまして…
「知ってた?池田屋喀血って、史実じゃないんだってね。池田屋の時の沖田って21歳くらいで、享年が25歳くらいだから」 とだけしか言ってないのに
「なるほど、おかしいね」
「ほんとだ、変ですね」
と、ほぼ即答。…さすが呼内チーム!…良かった、あんまり得意げに持ち出さないでおいて。…。ウチは結核病棟はないけど、排菌してない人なら、ウチでも診ます。でも排菌してたら結核病棟のある病院さんへ行ってもらわなくちゃならないので、呼内チームは進展度を把握することは仕事上必要な訳なんだな…と。私はいま消化器内科一色の毎日ですが、そのうち呼内に移ることもあるかも知れないし、おぼえておこう。
最近の消内はどうかっていうと、やっぱりがんの患者さんは多くて、幸か不幸か私の担当している人の中では痛みを強く訴えている人はいないんですが、吐き気が酷い、お腹が張ってつらい、とにかくだるい、っていう人が多くて、薬も色々使ってるんだけどなかなか効かないし、患者さんも希望と絶望の間を行ったり来たりしていてもの凄く疲れているのが見て取れたり…しています(*1)。そう、薬って、効かないんですよ!と言ったら言い過ぎですけど、実感として、薬を使う以前の問題っていうか、そういうのが歴然としてあって、それをどうにかしないことには薬も効果を発揮できないのね…って感じています。日々。無力だわ…。でも先輩は、「無力感こそが前進の原動力だ。もっと無力感を感じろ〜」と言います。キビシイな(笑)。先輩の愛を感じるセリフです(笑)。
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*1:えっと、こんなことを書いてある本がありました。
「池田屋での吐血を見逃しちゃった」
「吐血じゃなくて喀血でしょ!」
そうだったそうだった。"吐血"は胃など消化管からの出血、"喀血"は肺や気管からの出血。どちらも口から血を吐くことには変わりはないが、薬剤師としてはその区別は正しくつけなければならないポイント。うっかり間違って、厳しいツッコミを受けました…。
でも、その時話していた同僚たち皆がその回の大河を見逃していて残念がってました。
ところで『風光る』では、池田屋での沖田の喀血は史実ではない、という検証がされていますが(池田屋の時点で喀血に至るほど結核が進行していたのなら、その後の新選組であんなに長く活躍できたはずがない…という要旨で)、その知識を同僚たちにご披露してみました。しかし、その時話してた同僚の中に呼吸器内科を担当してる人たちが2人いまして…
「知ってた?池田屋喀血って、史実じゃないんだってね。池田屋の時の沖田って21歳くらいで、享年が25歳くらいだから」 とだけしか言ってないのに
「なるほど、おかしいね」
「ほんとだ、変ですね」
と、ほぼ即答。…さすが呼内チーム!…良かった、あんまり得意げに持ち出さないでおいて。…。ウチは結核病棟はないけど、排菌してない人なら、ウチでも診ます。でも排菌してたら結核病棟のある病院さんへ行ってもらわなくちゃならないので、呼内チームは進展度を把握することは仕事上必要な訳なんだな…と。私はいま消化器内科一色の毎日ですが、そのうち呼内に移ることもあるかも知れないし、おぼえておこう。
最近の消内はどうかっていうと、やっぱりがんの患者さんは多くて、幸か不幸か私の担当している人の中では痛みを強く訴えている人はいないんですが、吐き気が酷い、お腹が張ってつらい、とにかくだるい、っていう人が多くて、薬も色々使ってるんだけどなかなか効かないし、患者さんも希望と絶望の間を行ったり来たりしていてもの凄く疲れているのが見て取れたり…しています(*1)。そう、薬って、効かないんですよ!と言ったら言い過ぎですけど、実感として、薬を使う以前の問題っていうか、そういうのが歴然としてあって、それをどうにかしないことには薬も効果を発揮できないのね…って感じています。日々。無力だわ…。でも先輩は、「無力感こそが前進の原動力だ。もっと無力感を感じろ〜」と言います。キビシイな(笑)。先輩の愛を感じるセリフです(笑)。
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*1:えっと、こんなことを書いてある本がありました。
(1)相手の世界に入る指標にしようと心がけてはいますが、難しいですね。時によってどちらかに偏りすぎてしまう気がしています。
自分の価値観を捨てて相手の世界に入り、非審判的な姿勢でポジションを感じ取る。
(2)自分の世界へ戻る
得た情報から医療の専門職として評価し、必要な治療計画を立てる。
プロとして(1)と(2)を自由に行き来できる柔軟性が求められている。(1)の世界に入り、出て来られなくなったとき、感情が揺さぶられ燃え尽きてしまうことがある。
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