MUSA -武士-

2004年9月19日 映画
そういうことなら、チャン・ツィイー関連作品はチェックしておかなくては、と言う訳で、この作品のことを思い出し、借りてきて見てみた訳ですが、予想以上に凄く良かったです。
武士道をつらぬこうとする将軍たちと、彼らに従う下級兵士はもともと故郷では農民だったりとかする訳で、そういったそれぞれの異なった考え方や感じ方を表現してあって、異なる考え方を持っている以上は同じ部隊の中でも衝突が起こる訳で。そこへ更になにかと面倒な存在の姫君を抱え込んでしまったことによってますますミゾが深まる――ひとたび守ると決めた以上は守り抜く、いや姫を連れているから状況が苦しくなっていくのだ、というように。戦うのか降伏するのか、とどまるのか進むのか――。そして、道中で亡くなる老副使節が連れていた元奴隷の男。老人が死の間際に(奴隷の身分から)解放した彼が、キーパーソンとしてストーリーをうまくかき回してくれる感じがしました。彼は、武士はこうあらねば、っていうのにも縛られないし、かと言って保身にこだわるわけでもない。自由で孤独な男。なんですねたぶん。
そしてチャン・ツィイー演じる高慢チキなお姫様が、またハマリ役(…)で。こういう役のうえでの複雑な表情ならうまく見える。そのプライドが揺らぐ瞬間の表情、ってやつ?それから思わず無邪気さが出かかったとき、みたいな感じは、よく表現できてるんじゃないかと個人的には思うんですが…。
ちなみに今回は彼女のアクションはありません。
この映画は、たとえば『アルスラーン戦記』とかがけっこう好きな人なんかにはオススメできるんじゃないかなあと思います。訂正、『アルスラーン戦記』じゃなくて、田中芳樹の中国歴史もの、にしとうこうかな…?微妙に違うよね…?

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