『開いてるドアから失礼しますよ』の中で、本筋とは別ですが、内縁関係の相続について書かれていますよね。読み返していて、先月亡くなったある患者さんのことを思い出しました。そのひとに対して、薬剤師として力不足だったことをどんなにお詫びしても足りないくらいの心残りがある患者さんだったのですが、その患者さんにもちょうど内縁関係のかたがいらっしゃったので思い出していました。年末ぐらいにとても状態が悪くなった時にご本人の実のお兄さんに連絡が行きましたが、亡くなるまでには一度もいらっしゃらず、年明けに内縁関係のかたから今後一切は自分が受け持つ、との申し出があったりして、ちょうどこの患者さんにも息子さんがいらっしゃっるんだけど、ただ東京とか大阪とかにいるっていうことだけしかわからなくて直接の連絡先がわからないらしいって話で。色々と心残りだったんじゃないだろうかと気になって…。それはご本人がこれまでにしてきたことに対する当然の報いなのかそれとも不当な結果であるのかは、私ごときに測り知れるものではありませんが、『開いてるドアから〜』と共通点もいくつかあるんで、その人のことを思い出しながら読んでて、まあ私が知ってるのは病院内でのことでしかなくて、あんなふうなお家があるのかどうかも知らないですし、『開いてるドアから〜』は本人が亡くなった後の遺された人たちの話ではあるんだけど、三角さんと近藤君みたいな、あんな感じの救いがちょっとでもあったらいいなと思ったのですよね。しかし、内縁関係って本当に難しいんだねえ…。どっちも元気ならいいんだけどね…。

『最後のドアを閉めろ!2』には『誰にも愛されない』が同時収録されていますが、いま私の山田ユギ作品マイベストがこれなんスよ!タイトルからしていいじゃん、なんか、感じが。ちょっと前にマガビー本誌にクリスマス短編が載っていてそれがまたツボでした。なんで好きなのか、どこがいいのか、イマイチうまく説明できないんだけど。

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