DVD ポニーキャニオン 2003/06/18 ¥2,625 米国3大ネットワークの1つ、CBSの人気報道番組のプロデューサーが、ジャーナリスト生命を賭けてタバコ会社の不正を告発する社会派サスペンスである。アル・パチーノ演じるプロデューサーと、ラッセル・クロウが扮するインサイダー(内部告発者)。巨大な勢力を相手に無謀ともいえる戦いを挑む、2人の男の孤独な姿が渋い。 事実に基づ…

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宅配レンタルDVDシステムを利用するようになって以来、予約リストに入れてから手元に届くまでのタイムラグが大きいというその特性上、「あれこれなんで見ようと思ったんだっけ」という作品が送られて来ることはしょっちゅうで、「でも借りちゃったからとりあえず見るか」ということを繰り返している。そして本作はまた休日にゆったりと朝寝坊したあとに見るには非常に不向きな映画だった。あまりにもシビアだった。渋かった。見終わったあとどっと疲れて、もう一回寝よ…。という状態になった。…。
けど、これいい映画だと思うんですよ。その内部告発者とジャーナリストが会社というか社会というか、そういう巨大な存在に圧し潰されそうになりながらも自分の信念を貫こうとする姿が丁寧によく描き出されていると思います。全体的に色味が少なめの映像で構成されていたような気がしましたが、あのように絶望に瀕している人間の目に映る風景というのはこんな風なのではないかという共感を誘う映像になっていたと思います。
最後のカットが、アル・パチーノが回転扉を出て行き、コートを羽織りなおしながら歩いて行く後ろ姿が次第にスローモーションになって、回転してくる扉のフレームに合わせてフェードアウトしていく映像なんですが、そこが凄く印象に残りました。ある意味、この映画を集約しているというか、アル・パチーノ演じるジャーナリストの、ジャーナリストとしての人生をすべて物語るような後ろ姿。だと思った。

ジャーナリズムとは何か?そして、"情報"というものが扱いようによってさまざまに状況を変え、その状況の変化によって"情報"そのものの価値も大きく変化してしまう。そういうのを描いた映画。かな。と思ったんだけど。

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本筋とは直接関係ないと思うけど、ラッセル・クロウ演じるワイガンド博士が化学の授業で生徒たちに言う、「化学は魔法でありアドベンチャーだ」というセリフがツボ。気に入りました。(でも魔法、と来たらアドベンチャーって訳はちょっと微妙な気がしないでもない…。)

コメント

秋林 瑞佳
秋林 瑞佳
2006年4月17日21:29

ダレるところが皆無だから、一気に疲れますよね<「インサイダー」

主演のラッシーは、先日、喫煙が認められてない舞台でタバコを吸い、問題になってました。必ず云われちゃうんですよね〜、「ちなみにクロウは、映画『インサイダー』にて、タバコの健康被害を告発する博士役を演じた」って。

”D”
”D”
2006年4月17日23:06

いやあ、もう、すごいズッシリでしたよ。

アマゾンのレビューでも、ラッシーはヘビースモーカーなのに煙草会社を告発する役を演じてる、みたいなことが書かれてましたよ。
ところで日本料理店で注文するシーンの日本語はラッシー自身が喋っているのですよね?おおっ、日本語らしい発音の日本語だ!と思いました。

秋林 瑞佳
秋林 瑞佳
2006年4月18日19:09

>ところで日本料理店で注文するシーンの日本語はラッシー自身が喋っているのですよね?
そーです!あの「おねーさん…ししゃも…」は見事です!
日本語知らないハリウッド俳優の中ではラッシーがピカイチです!

あれ聞いて、やっぱラッシーは器用だという話はホントーなんだ、だから「グラディエーター」でもリドリー・スコットがあんなにホメてたんだと思いました。ちなみに日本語の発音2位はトム・クルーズかな?

”D”
”D”
2006年4月19日0:00

なんでししゃも?とは思ったんだけど、「シシャァモゥ」とかじゃなくてちゃんと「ししゃも」って聞こえたから凄いと思いました。籠もらない舌を巻かない発音ができてて凄い。さ行がきれいに言えてましたね。