最初、『闇の華』で検索しちゃった。ヒットしない訳だよね。(だってほら、『権力の花』って本もあるじゃん、エダさんのSHYノベルスで)。
うわ、この表紙イラストって、エロいね!帯で隠れてたとこ、こんなんなってたのか!際どい所にキスマークついてますよ。わお。
小説の上手さに定評のあるエダさんですが、遊郭もので、しかも「男遊女」って、いくらエダさんでも無理ぽくない?だって"男"で遊"女"ってヘンじゃん。1語の中で矛盾が起きてるし。…と思って一度はスルーしかかったのですが、好評の噂を聞いたので読んでみました。
ネタバレあり
やっぱ上手い!読ませますねー、エダさんは。上手い。面白いね。エロいし!吉原のことも丁寧に書いてあるし、トンデモ設定だ、って思わなかったし。時代設定も巧みですね。明治初期の吉原、っていうと、なんつうの、ちょっと廃れてきた感じですよね、吉原の全盛期を過ぎて。そういう翳りと遊女の陰の部分ていうのが、うまく重なってるし、仕来りもちょっと崩してもアリじゃんって言える時代でもあるかな。という感覚を持ち始めていたところにクリーンヒットした一文があるんですよ。
「それでも志乃が煙管を愛飲する理由を尋ねたところ『紙巻き煙草じゃあ、おまえを叩けないだろうよ』と言い放った」(p.35より)
ここをきっかけに、一気に小説世界に入って行ってしまいましたね。煙管がだんだん使われなくなってきて、紙巻き煙草が一般化し始めている中でも、きっと志乃はそれなりに煙管に愛着を持っているんだろうし、もしかしたらなんか思い出の品なのかも知れないし、流行りを追っ掛けるばっかりが粋ってもんじゃないのサ、とか思ってるのかも知れないけど、それをこんな言い方するところに、花魁の意気と張りっての?そういうのがある感じすんだよね。志乃って女が良くわかるわ。
あとですね、最後のほうで、華月が子爵の白髪に気付くとこあるでしょう(p.231)、なんつうかもう、「文学のかほり」みたいなものしますねー。巧いわー。
ってここまで受のことも攻のことも書いてないですね。…。いいね、純愛だなあ。(それだけ?)
身請け話の展開も上手。納得する。なるほどそういう理由もありか、から、ああ、そういう理由だったのねとなり、最終的には…。
男遊女を訝しむ気持ちがあっただけに、予想外に面白く感じられて、お得感あった本でした。
うわ、この表紙イラストって、エロいね!帯で隠れてたとこ、こんなんなってたのか!際どい所にキスマークついてますよ。わお。
小説の上手さに定評のあるエダさんですが、遊郭もので、しかも「男遊女」って、いくらエダさんでも無理ぽくない?だって"男"で遊"女"ってヘンじゃん。1語の中で矛盾が起きてるし。…と思って一度はスルーしかかったのですが、好評の噂を聞いたので読んでみました。
ネタバレあり
やっぱ上手い!読ませますねー、エダさんは。上手い。面白いね。エロいし!吉原のことも丁寧に書いてあるし、トンデモ設定だ、って思わなかったし。時代設定も巧みですね。明治初期の吉原、っていうと、なんつうの、ちょっと廃れてきた感じですよね、吉原の全盛期を過ぎて。そういう翳りと遊女の陰の部分ていうのが、うまく重なってるし、仕来りもちょっと崩してもアリじゃんって言える時代でもあるかな。という感覚を持ち始めていたところにクリーンヒットした一文があるんですよ。
「それでも志乃が煙管を愛飲する理由を尋ねたところ『紙巻き煙草じゃあ、おまえを叩けないだろうよ』と言い放った」(p.35より)
ここをきっかけに、一気に小説世界に入って行ってしまいましたね。煙管がだんだん使われなくなってきて、紙巻き煙草が一般化し始めている中でも、きっと志乃はそれなりに煙管に愛着を持っているんだろうし、もしかしたらなんか思い出の品なのかも知れないし、流行りを追っ掛けるばっかりが粋ってもんじゃないのサ、とか思ってるのかも知れないけど、それをこんな言い方するところに、花魁の意気と張りっての?そういうのがある感じすんだよね。志乃って女が良くわかるわ。
あとですね、最後のほうで、華月が子爵の白髪に気付くとこあるでしょう(p.231)、なんつうかもう、「文学のかほり」みたいなものしますねー。巧いわー。
ってここまで受のことも攻のことも書いてないですね。…。いいね、純愛だなあ。(それだけ?)
身請け話の展開も上手。納得する。なるほどそういう理由もありか、から、ああ、そういう理由だったのねとなり、最終的には…。
男遊女を訝しむ気持ちがあっただけに、予想外に面白く感じられて、お得感あった本でした。
コメント
全盛期を過ぎた吉原っていう時代設定は本当に上手いと思います。なんとなく男遊女が入り込む余地があるように思えますし、華やかにも見える遊女たちの陰の部分が、初期の頃からずっと積み重なってきた息苦しさのようなものを感じました。
>男遊女を訝しむ気持ちがあっただけに、予想外に面白く感じられて、お得感あった本でした。
まさに同じ感想でした。トンデモ素材?でも料理法によってはここまで美味しくなってしまうのかと驚かされました(笑)
>華やかにも見える遊女たちの陰の部分が、初期の頃からずっと積み重なってきた息苦しさのようなものを感じました。
それを考えれば、タイトルは『華の闇』で正しいっていうか、そうあるべきタイトルですよね。
ホントにシェフの腕ですね、旨かったなあ〜。