ISBN:4883863190 新書 木原音瀬/茶屋町 勝呂 蒼竜社 2007/04/21 ¥900

今の時期って文庫レーベル各社で、夏の100冊とか50冊とかナツイチとかが開催中ですよね。私の場合は夏の木原フェア続行中です。この夏の課題図書。ご紹介いただいたものや、手に入りやすいものから読んでいます。木原さんの本は古本屋には殆ど並んでいませんね。古本屋さんではほかにも、あの人の本、ないなあと気付いた作家さんが何人かいます。発行部数と愛読者の数の相関によるのでしょうか?

『脱がない男』『牛泥棒』と、なんというかアタリがいいところから入ってしまっただけに、次に何を引いてしまうかちょっと怖い…、というタイミングではありましたが…。

以下、ネタバレ。マジバレ。未読の人は「中は見ちゃ駄目だ。絶対に駄目だ」です。
それから、遅れて気付いたのですが、小説『ライ麦畑でつかまえて』と映画『ビューティフル・マインド』についてもちょっとネタバレしています。お知らせが遅れて済みません。

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しかしびっくりしたのは、オーリの映画を見た後で、何も知らずに手に取ったという偶然です。吹き替え声優を調べている過程でオーリが難読症だというエピソードを拾っていたんですよ。作中でそれらしい描写が出て来た時すぐにわかりました。
お蔭でこんな時間でも寝れねーよ。
つか、だいたい、この、啓太の妄想ってわかり切ってるのに、いつまでどこまで引っ張るのか?だめだ、もう夜遅いからっつっても途中では止められない、最後まで読まないと怖くて寝られないよ!っつー訳ですよ!それにしてもこの妄想の酷い小説書きっつうとアレですね、『京極堂』シリーズの関口さんを思い出しますね。それから充が難読症ならもしかして啓太は…、という連想から『ライ麦畑でつかまえて』のホールデンも思い出しましたが(だって、あいつは本当にいたのかとか、杉浦さんは幻覚なのかとかいうようなこと言うから)皆実在の人物ということで、ホールデンとは違うなと。つまり、啓太は統合失調症なのか、もしかして?と思ったけど、違うよね、って話です。妄想中に架空の人物が出てきて現実に存在しているように思うっていうパターンはホールデンしかり、『ビューティフル・マインド』のジョン・ナッシュしかり…だけど、文学と映画の中での話だしなあ、これも…。

…と、或いは、小説とは別のところでぐるぐるしてしまったお話でした。で、上記のようなことを考えていたので、わりと冷静に読んでいられた…かも知れませんでした。

コメント

秋林 瑞佳
秋林 瑞佳
2007年8月13日5:27

>キーラ・ナイトレー

秋林 瑞佳
秋林 瑞佳
2007年8月13日5:31

↑間違えちゃった。
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>難読症(dyslexia ディスレクシア)
トム・クルーズ、キアヌ・リーブス、故リバー・フェニックス、キーラ・ナイトレイもそうです。オーリを含め、みなさん、隠していませんね。

”D”
”D”
2007年8月13日18:51

うん、意外といるんだなあって、リンクを辿ったりして見ているなかで思ったのでした。
つまりは、言葉によらない、豊かな表現力を持っている、ということなんではないかと。
私たちのほうこそが彼らの世界を理解する能力を欠いている…という言い方をすることがこの場合にも出来ると思います。一見すると割れ鍋に綴じ蓋みたいに見える充と啓太ですが、互いに互いの世界を理解し得る素質を持った相手を見つけたんだと思います。(上では「違うよね」と言いはしましたが、私はやっぱり啓太にはそういう傾向がちっとあるんではないかと自分の中で結論付けたのでした。…と、ついつい回りくどい言い方をしてしまいますが)。

”D”
”D”
2007年8月13日19:11

あ、難しい…。
「言葉によらない」などと書いてしまいましたが、それは違いますね。えっと、読み書きじゃなく、ってことで…。んが。これじゃもう、私のほうが言語障害来たしてんじゃん。んむむむ難しいです。あと、啓太に関してもあくまで私の個人的な読み込みですので。木原さんが意図しているのとは違う可能性も大ですから。