先日秋林さんからお借りしたご本の中の1冊です。これは私からも貸して下さいとお願いしたものですが、「これくらい読んどきまっしーね!(これくらいは読んでおきなさいよ)」とも言われていますので(笑)、順次こちらに感想をアップしていきたいと思います。

さて、吸血鬼ものは私も基本的に大好きです。不死の孤独とか、吸血の苦悩とかそういう味付けがしてあると更に大好き。本作はそういうところは少し薄いですが、しかしなかなか魅力的に描いてありますね。というか、こういう、へなちょこほのぼの吸血鬼ストーリーは初めて読んだ気がします。木原さんのまだ読んでないし、『トリブラ』だって『BLOOD ALONE』(*)だって、ほのぼのしてるとこはあってもベースはどシリアスだもんね。

キスらしいキスもしていない表題作カップルのほのぼのした空気もけっこう好きだけど、狼男の色気が滲む番外編のほうがより好みです。というか、吸血鬼もの同様に人狼ものも大好きだから。手袋には私も萌えた。

この吸血鬼シリーズとは別に、高校生ものなど、何編か同時収録されていましたが、その高校生もの「フレンドシーズン」と先生×生徒もの「むすんでほどいて」もけっこう面白かった。なんというか、とても"らしい"というか。この作者さんの持つほのぼのとした表現の空気感と素材とがうまくマッチしているように感じられました。

あと、どれを読んでも、笑いのセンスが絶妙ですね。この、ちょっとくすっとなる程度を醸すのもなかなか、狙ってやるのは難しいものだと思うのです。

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『トリブラ』⇒『トリニティ・ブラッド』吉田直/角川スニーカー文庫、九条キヨ/あすかコミックス
『BLOOD ALONE』高野真之/電撃コミックス

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