記事のメモ

2008年8月4日
ネットをふらふらしていて「なんですと!?」と目が醒めた記事。ちょっと憶えておこうとここに引用。


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化粧品から薬並みのステロイド 「効く」口コミに注意
7月30日8時0分配信 産経新聞

 「ステロイド不使用」をうたい通信販売されていた化粧品から、医薬品並みの濃度のステロイドが検出されていたことが今月、明らかになった。東京都は「薬事法違反で、健康被害が出る恐れがある」として、商品の回収と販売中止を指示した。化粧品は全成分表示が義務づけられているとはいえ、正しく表示されているかどうかの確認は業者側に任されている。消費者が購入前に実際の成分について知るすべは事実上なく、被害をどう防ぐかが課題となっている。(平沢裕子)

 この商品は販売会社「ラバンナ」(東京都新宿区)が、今年3月から通販などで売っていた化粧品クリーム「NOATO(ノーアト)クリーム」。米国から輸入していたという。インターネットの口コミサイトなどで「ステロイドが入っていないのにアトピーの肌がよくなった」と人気に火がつき、約4カ月間で5691個を売り上げた。

同社の商品紹介サイトでも 「ステロイド剤などの成分は一切含まれておりません」としていた が、国民生活センターが調査したところ、プロピオン酸クロベタゾールというステロイドの一種が検出された。このステロイドは、 5段階に分けられているステロイドの効果で最強ランク に属し、医師の処方箋(せん)がないと使えない医療用医薬品とほぼ同一の含有量だった。

 近畿大医学部付属病院皮膚科学教室の医師、小西奈津子さんは「治療でステロイドを使うとき、顔には中程度ランク以下のものを使い、最強ランクのものは使わない」といい、「化粧品クリームなら顔に使った人もいるのでは。強いステロイドはリバウンドも大きいので、使った人は専門医に相談してほしい」と呼びかける。

 実際、同センターに寄せられた購入者の苦情の中には「使用してみるとあまりの即効性に怖くなり、使うのをやめたところ、使用前より悪化した 」(30代女性)といった被害もあった。

 化粧品は輸入品であっても全成分表示が義務づけられている。ところが、表示が正しいかどうかの確認は企業責任で、実際に確認しているかどうかをチェックする機関はない。同社は「自社の委託検査で検出されなかった」などと主張しているというが、検査機関では「検査は医薬部外品として認められているステロイドを調べたもので、今回検出された医薬品のステロイドは引っかからない。医薬品のステロイドは化粧品に含まれるものではないので、通常は検査しない“想定外”のもの」と説明する。

 東京都福祉保健局健康安全部薬事監視課では、「化粧品の全成分表示は消費者が商品を選択するためのものだが、必ずしも表示が正しいとは限らないことが明らかになった。ネットの口コミを信じて購入した人が多くいたようだが、口コミはあくまでも個人の感想なので、内容を指導するのは難しい」という。

 ステロイドは開発から約60年たつ薬で、効き方や副作用について、現在ではかなりよく分かっている。今回のクリーム購入者の多くはアトピー性皮膚炎の患者だったが、「ステロイド不使用」をうたうことで商品が売れたのは、それだけステロイドに拒否感をもつアトピー患者が多いことのあらわれともいえる。

 小西さんは「重症の患者さんほど、ステロイドへの不信感が強い」と治療の難しさを感じてもいるが、「ステロイドは医師の指示で使えば決して怖い薬ではない。ただ、アトピーは完治が難しいのも事実。患者さんは現実を受け止めることも大切で、口コミ情報に惑わされないでほしい」と話している。

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顔面にstrongestのステロイドを使わせるなんて悪質すぎる。ステロイドにさらに悪役っぽい印象を持たれかねない事件でとても残念に思う。本当に、使い方の問題で、モノそのものが悪い訳じゃないのに。普段からよく説明する機会も多いネタなのだが、ステロイドは良くないとの思い込みから指示量(治療に必要な量)よりも少なく使ったりしていると、治り切らずに長引いて、結果的にトータル使用量が却って多くなってしまうこともあるのである。

こうなってくると…、再春館製薬や山田養蜂場みたいな「真面目で品質重視です」をアピールするCMがきっと効果を上げるようになってくるんだろうけど…。クリーンすぎて、それも実際どこまで本当かなあという疑問が浮かんできてしまったりする。

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