『雪よ林檎の香のごとく』一穂ミチ (新書館ディアプラス文庫)
新書館
文庫 新書館 発売:2008/07/10 588円

商品レビュー、ふたついっぺんに出来たらいいのにな。同じ一穂さんの『オールトの雲』を読んで、良かったので、これも読んでみました。『オールト~』のレビューがされているのを見たとき、読んでみようと思って、あと、『雪よ~』もレビューされてて評判がいいなと思ったことを憶えていたので。

この2冊とも、とても良かったです。高校生くらいの年ごろの、とてもやるせない気持ち、そういうのが美しく描写されていて、正直参った。自分は何て汚いんだろうと、まぶしく思った。それと同時にせつなさに共感する自分もいた。
肉欲に走ったBLを読み疲れたら、これを読むといいよ。

一穂さんの作中では、フィジカルな欲求からじゃなくて、心から切実に相手を求めることに端を発する体の交わりが描かれていて、それが綺麗だと思いました。

恋ってなんて素敵なんだろう、程度の表現しか私には出来ないけど
「美しすぎる夕焼けをそっくり胸の中に取り込んでしまったような気持ち」(『オールトの雲』p219より)
みたいな、読んで恥ずかしくなるほどきれいな表現に、小説の良さを改めて感じました。

『雪よ~』のキャストの話題がありましたけど、私もこの攻は小西がいいです。けっこう軽めの人かと思いきや、心の奥底になんか重いものを抱えてるみたいなところがあって、しかし深い愛情を滲ませる瞬間があったりする。…じゃ、小西だ。軽めな感じはアニメ『タイタニア』のヒューリック役の声からイメージできるし、あと、『エス』ドラマCDの2作目(咬痕)の最後のほうで、「あるよ」ってひと言だけ答えるところがあるんだけど(という説明でもわかる人にはわかると信じます。わかんなかったらコメントして!)、こんな短いフレーズに、たった3文字、時間にしたら1秒にも満たないのに、ほんと「深い愛情が滲んでる」ように私には感じられたんですよね。あと『BLOOD+』のハジ役もホント良くて、すっごい無表情な人なのに「小夜」って呼ぶときも淡々とした感じではあるけど、それでいてもその声でハジがどんだけ小夜を愛しているかがわかった気がした(というのはかなり前だけどちらっと書いた)。…ていうか、そんなにこにたんが好きなのか私。

結局必要以上にこにたんを褒めてしまった今日のブログ…。

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追記。
あとで『エス―咬痕』のドラマCDを聴きなおしたら、…言うほどでもなかったです。(え)。「あるよ」の後にも続くセリフがあったことは憶えていたんだけど、間が思っていたよりもなかったし。なんていうか、勿論良いことは良いんだけど、もうちょっと普通だった。ちょっと私の思い込みだった(笑)。

コメント

奈央
2009年6月4日18:04

私も、なぜかこにたんの話題になると、そんなつもりまったくないのに結局褒めちゃっていたりします。
どうしてそんなにできる子認定してるのかは謎……

雪よ〜の先生、同じキャスティングでうれしいですー

”D”
2009年6月4日22:18

なんか、こにたんって、内に秘めてるものを押し隠している的な雰囲気を声に乗せる芝居がなんかハマるんですよねー。…ん?それはやっぱり結局こにたんが芝居うまいってこと?

あと、ほかに、個人的にキャスティングが浮かんだのは、カコイさん。あいつみたいに、表面上はソツなく穏やかで、内面壊れてるやつは、みきしんがやればいい。と思った。