作者 榎田尤利 イラストレータ 奈良千春
キャスト 芽吹 章:平川大輔、兵頭寿悦:子安武人 他

-----
クリスマスイヴですね。

そんな日に、ひとりきり、自室でゆっくりとコンビニで買ったケーキを食べつつこのCDを聴いている訳だけど…。どうなんだろうね、こんな自分―― などということを考えてはいけない。
しかし最高の贅沢ではあると思う。誕生日の過ごし方でも同様のことが言える。ひとりきりで他の誰にも気を遣うことなく、全部の時間を自分のためだけに使い、食べ物なども特別なものを自分のためだけに用意する、ということを私は贅沢だと思っている。 ま、しょっちゅうしてるけどね、そんな贅沢。

それにしてもコンビニのケーキも侮れないね…。どこぞのパティシエが監修しているらしいが…。ちょうウ・マイ。

----------------
すいません、初っ端から脱線して。

以下、 ネタバレ も含みます。

ひと言で言って、面白かったです。聴いてて笑みがこぼれるというか、楽しめるシーンが多かったです。
以前はもっと早口でもっと沢山喋ってほしいと思っていましたが、これで聴き慣れると、喋りのテンポもこれでいいかな、という気がして来ます。
子安さんが本当に面白いです。そうだなー、今回印象に残ったのは、「乳首出してんじゃねえよ」と、手錠の鍵について言った「ない!も、下水ン中だ」かな。下水の「げ」の音に強くアクセントをつけて吐き捨てるみたいに言ってるんですが、うまいなー、合ってるなー、と思いました。
芽吹のセリフに、前作よりもオヤジっぽいフレーズが増えているように感じられるんですが、それを言う平川さんもホント面白い。「小悪魔的プルプル発射スペシャル」にきゅんとするオヤジ心の表現は、いっそ素晴らしかったですよ。

ただし…、ちょっと気になったところがあります。
原作の、手持ちの単行本ではp82~85にあたる辺りですね。表面上の会話の流れは拾われているんですが、芽吹の内面の描写がごそっと抜け落ちている感が否めないんですよねー…。「あの兵頭が……人を殺めていた。/衝撃は、じわじわと俺の心を侵食していく。俺に触れたあの手が、指が――ひとりの人間の命を奪っていたのだ。」(p83より引用)というくらいにショックを受けて、来客が帰ったあとも「しばらく一歩も動きたくなかったし、誰とも喋りたくなかった」というほどで、さゆりさんが、電話が掛かってきても取り次がずにそっとしておくという気遣いをするくらいに芽吹は激しく動揺したのに、CDでは「溝呂木の兄を殺した…。あの兵頭が……」くらいしか触れられず、表面上の交渉の依頼を続行するかどうかのやりとりでシーンが終わってしまっている…。

うーん、でも、原作でもわりとすぐに立ち直ってるしなー…、それに、「人を信じる/信じない(または人は変われる/変われない)」が最大のテーマの話な訳だから、こんくらいでもいいのかなあ。
私、このシリーズに関しては2巻までは前振りだと思っています。3巻からがホントのメイン。…なんじゃないかと、勝手に考えていますが。
原作の感想になっちゃいますが、私は…、あくまで私個人が思ったことですが、2巻までは読んでも「フーン、きれいごと書いちゃって」みたいに思うくらいだったんですよ。でもそういう突き放した感想以外に、きれいごとだけじゃ終わらない予感もありました。そういう伏線が読み取れたんですね。それが3巻でちゃんと出て来て、私の中でのこのシリーズの位置づけが変わった、よーなところがあります。

------------
ストーリーの感想になっちゃったな。改めて、CDの感想を。

溝呂木役が石井真さんでした。ああ、知ってる、あのゲームに出てた…。
七五三野役が江川大輔さんでした。ああ、そういやこの人が出てるゲーム、持ってるな…。

…あ、ていうか、あれだ、平川さんと、この石井さんと、あと鵜沢役の安元も、あれに出てる、『断罪のマリア』。

すいません、これも全然感想じゃないね…。

次作もおそらくCD化されるだろうと思うけど、朝比奈役は誰が演るんだろー。すっごい重要な役じゃん?

------------
んー、まあ、今回はこんなところでしょうか。あまりうまく書けた気がしないけど…。

コメント