『アイスフォレスト』 8 (フラワーコミックスアルファ)
さいとうちほ
コミック 小学館 発売:2010/10/08 420円

そのうち読んでみようとは思っていたけど、なんとなくきっかけが足りなかったこの漫画。この間のGOLD誌と、フィギュアスケートシーズンだから…ということで流れが向いてきて(笑)、読みました。

なんか、『キスネバ』といろいろカブるポイントがあって、ついつい比較しちゃうんだけど、どちらにもそれぞれの面白さがあり、かつ、どちらもハイクオリティだと思います。

私が勝手に考えてるだけなんだけど、その最大の共通ポイントは、男女でペアを組む競技でありながらも、恋愛対象をそのパートナー以外に設定したところ。いや、パートナーにするか、それ以外にするかの二者択一でしかないんだから、"共通"っていうのもおかしいかもしれないけど。でもこの設定って、凄く面白い。パートナーを組んだ二人が紆余曲折がありながらも理解しあい互いに高めあって二人だけの世界を作り上げる…というストーリーもそれはそれで面白いけど(例えば槇村さとる作品のよーな)、パートナーとは信頼し合わなきゃいけない、でも恋してる相手は別の人…っていう設定は人間関係もキャラクターの心理もすごく複雑になって、読むほうとしてはそれがとても面白い。

人間関係の複雑さでは『アイスフォレスト』のほうが圧倒的に上だと思います(笑)。(『キスネバ』は主人公のみちる自身がすごく複雑というか)。

…て、いうかね、読んでやっぱり思った、やっぱ、さいとうちほは 少女漫画 の大御所だなあって。
女のコの心理描写がうまい!
こう、なんて言うのかな、女のコらしい気まぐれさ、恋したら一直線みたいな一途さ、泣いたり笑ったりの感情のアップダウンの加減、どっちを取るかで揺れ動く気持ち(それが行き過ぎた場合は優柔不断と言う…)(いや、女から見て、このくらいならまだ優柔不断じゃないと思っても、男から見たら既に優柔不断だ、と思われるようなことって、あるような気がするけど…)。

だからね、だからこそ「BL初登場!」に、 「えぇっっ!?!?」 と、思ったのですよね。この女子の心理描写があまりにもうまくてあまりにも少女漫画なことが、BLからは遠い、と私に感じさせたポイントでした。
でも絵的には求められている気はします。なんつっても、古今東西、王子様を描かせたら超一流、みたいなイメージはあるので、そう考えるとリブレにはとくにマッチしそうな…という気もするし。うーん。
(ついでに言うなら、お姫様を描かせても超一流だ。)

さてところで。
作中で描かれているアイスダンス・プログラムの曲は、わりとスタンダードなイメージです。「パリのアメリカ人」、「韃靼人の踊り」等々。『キスネバ』みたいな、スゲー変化球で来たな!ていうのとは違いますね(笑)。(でも『キスネバ』は私的にはツボな選曲で楽しいです)
ちなみに「韃靼人~」は私も好きな曲で、いまそれを聴きながら書いています。


…このくらいで、書こうと思ったことは書けたかな…?
まあそんな訳で。

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