だらだら語り

2011年3月22日
だらだら語り
私は、専門家ではまったくないけれども、「放射線の勉強なんて1回もしたことないよ」という人々とも違います。なので、今回の原発に関する報道を見ていても、それは既に知っとるわい、と思うこともあり、それは知らんかった、と思うこともあり。

そんな私のだらだら語りであり、何かの解決を示すものでもありません。
参考になる場合もあるかも知れませんが、ならないかも知れませんので、お読みになる際は、その点、あしからず…。

---

安定ヨウ素剤を配布しちゃったというところが出てしまい、飲むタイミングはあとで指示するから今は絶対飲まないでと言って配ったところがあるかと思えば、飲んでという指示が伝わってしまって、必要ないのに飲んじゃったという話もありで、なんとも…、複雑な気持ちです。

わりと早い段階で某うがい薬のデマと併せてぱっと飛び火しちゃった感がありますね。「ヨウ素」だけが一人歩きして、(決してそういう訳ではないのに)「安定ヨウ素剤さえ飲めばもう大丈夫…!」みたいな空気が出来てしまった気がします。なのになぜその安定ヨウ素剤をくれないのか、みたいな、そんな感じ。

避難所などでは、落ち着いてTVを見て、そんなヨウ素に関する解説をじっくりと聞くことも難しく、恐怖ばかりが増幅されてしまうのだろうと思いますが…。しかも地震と津波の恐怖を味わった後だし…。もう不安でいっぱいで、何でもいいから安心できそうなものにぱっと飛び付いちゃうみたいな、そんな状態かなと想像します。(TVを見過ぎても良くないような気がしますが…)。


「半減期(はんげんき)」という言葉も、昨日、今日あたりからTVでちらほら使われ始めましたね。

放射性のヨウ素131は、半減期が約8日です。8日経てば、放射線を出す能力が半分になってしまうのです。そしていずれは放射線を出さなくなります。(ゼロになるまでにはちょっと時間がかかりますが)

ただし。
ここ数日で野菜や海水に、何がどれだけ検出された、というニュースをご覧の方は、ヨウ素131以外の放射性物質もリストアップされていたのにお気付きになったかと思いますが…、たとえばその中のセシウム137。これは半減期30年だそうです。ヨウ素131の8日と比べると非常に長い。

ヨウ素だけに関して言えば、半減期の情報を早く出していれば、比較的、安心してもらいやすかったかも知れないけれど…。

余談ですが、私が以前かかわっていた仕事で扱っていたのは、半減期110分という超短寿命核種でした。作ったそばから放射能を失っていくんですね。なので逆の意味でシビアでした。急いで扱わないといけないという。


ところで、どうして「半減期」なんだろう、とお思いになった方はいませんか。放射能って減るの?だったら「いつになったらなくなる」というふうになぜ言ってくれないんだろう、と。

難しいけどその説明を試みる。

高校の化学で「原子」を習うと思いますが、…思い出せますか。クリスタルセイントも言ったように、物質はすべて原子で出来ている。
原子核の中に、陽子と中性子が入っていて、原子核の周りを電子が取り囲んでいる。

で、この、陽子・中性子・電子の数が、バランスが取れているときその原子は「安定」。でも、どれかを多く持ちすぎているような、不安定な状態だったりすることもあります。その場合は、陽子と中性子が飛び出して行ったり、中性子が陽子に変わって電子が放出されたりという現象を経て安定な状態に自然に移行します。
このときに出て行く陽子+中性子や、放出される電子、それが放射線の正体。

そしてこの現象を、(安定化する現象なのだけど)、放射性崩壊、または原子核崩壊と言います。単に「崩壊」と言ったり、「壊れる」という表現をする専門家もいて、この10日ほどの間に私も何度か耳にして、知らない人にはわかりにくいんじゃないかとちょっと気になっていた言葉でした。
報道番組で「原子力がご専門のなんたら大学教授のなんとか先生にお越しいただきました」なんていう時の先生がそういう言葉を使っていたように思いますが、お気付きになった方はいますか。

つまり、不安定な放射性物質が、放射線を出して、安定な放射線を出さない物質に変化する訳です。

たとえば、男の子がいて、ふたりの女の子に二股をかけていたとしよう。バレて、女の子はバシっと男の子をひっぱたいて去って行く。ね、不安定な男子から女子が離れて行く際にエネルギーが放出されましたね?
…だめでしょうか、この例えは。……。


ところで、この原子核の崩壊(つまり放射線の放出)は、量子力学上、確率的に起こる現象であるとされています。

(ずっと以前に、量子力学と放射線のことを絡めて「シュレディンガーの猫」のことをこのブログで書いたことがありましたが…。http://26468.diarynote.jp/200902010058474123/

それで、途中をものすごく端折りますが、その放射線の放出の変化の度合いをグラフ化すると、写真のようなグラフになります。(ピンクのペンなのは、たまたまそこにあったからで、ひらがななのは、漢字を書いたらつぶれて読み取れなくなりそうだったのと、かるい遊び心です…。すいません。しかも字きたなくて)

最初の時点からは急激に減って、その後の減り方がなだらかになってくる、そういう変化の仕方をします。比例関係のような直線の変化と違うんですね。そしてこの手のグラフは、完全にゼロになる地点の見極めが難しいのですが、半分になるまでの時間である「半減期」というのははっきりわかります。なので、それを目安として扱われることが多い訳です。

最初の50%(半分)になるまでの時間が半減期。
25%(半分の半分)になるまでには、2半減期。
12.5%(半分の半分の半分)になるのにかかる時間が3半減期分、
6.25%(半分の半分の半分の半分)で4半減期、
3.125%(半分の半分の…
1.5625% …
0.78125% ……

……。

うまく説明できた気がしません…。…。



コメント