『LOVE and EAT~榎田尤利のおいしい世界~』 (SHYノベルス294)

単行本(ソフトカバー) 大洋図書 発売:2012/12/24 1,575円

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榎田さんの小説に登場する食べ物を実際に作ってみましょう、というコンセプトレシピ本。
あのシーンであのキャラクターが食べていたアレを作ってみたい、食べてみたいっていう、それね。そもそも私はそういうのが好きなので(過去にも『絵本からうまれたおいしいレシピ』を紹介しましたが)、こういう本が出てるっていうだけで既に嬉しいです。しかもBLでですよ。買うでしょ。私が買わない訳ないでしょ(笑)。
プラス、榎田さんによるPetLoversと、交渉人のショートストーリーおよび、奈良さんの描き下ろしカラーショートコミックも収録されています。

ただ、うーん…、この本の場合、レシピ本としてそこそこおしゃれな出来だとは思いますが、結局のところ、榎田作品がそれなりに好きじゃないとこの本買わないと思うんですよね。それだったら榎田要素をもっと多く入れないと、榎田ファンの満足度は上がらないだろうなあ…という印象がありました。

レシピによっては榎田さんのコメントがついているものもありましたが、なにもコメントがなく、どの作品のどのあたりで出てきたレシピなのかすぐわからないものもが結構多かったです。本の後ろのほうに、索引みたいにどのレシピがどの作品からだったのかだけはまとめて書いてあるんですが、私はそれ、レシピに直結していてほしかったなあ。レシピページの欄外にでもあったらよかったのに。
それとも、レシピを見て、ぱっとどこで出て来たかわからないのはファン失格ってこと?(笑)。
なんか、榎田尤利や、それ以前にBLってものを知らずに誤って手に取ってしまった人にもふつうにレシピ本として利用できるように…、という配慮なのかもと思ったけど、……、そういう人にはホント、ごめんなさいってことにして、榎田ファンの満足をもっと追究したほうがいい本になったと思うんだけどなあ…。

あと、料理の写真が、ちょっと…、ものによっては赤と黄色が強く出過ぎていて、私あんまりそれ好きじゃないんです。オムライスの写真なんか、まっきっきな卵にまっかっかなケチャップがかかっていて、うわーごめーんわたしこれだめー…つってそのページ飛ばしてしまった。ベリーのタルトも赤がちょっときつかったかなー…。ほんとすいません。そういえば海外のレシピ本とかにこういう写真あることがあるような気がするけど…。
ローストビーフもおいしそうではあったんだけど、もっとおいしそうに撮る余地あると思います。付け合せのクレソンもなんか萎れてませんか。けど、ショートストーリーを読んで実際ローストビーフがめっちゃ食べたくなったことは認めます。そのうちつくってやる。
でも表紙の「天使のケーキ」の写真はきれいですね。あと、「マッシュルームと卵とチーズのガレット」もおいしそうに撮れてました。このガレットは作中で出て来たときもすっごく惹かれたんで作ってみたいです。

それと、料理の写真に一緒に写りこんでいる小道具がちょっと面白かったです。わかりやすいところで言えば芽吹の名刺と天津甘栗とかね。

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という訳で、私はそれなりに楽しめた本でしたが、でも、星は★★★☆☆…くらいかなあ。

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BLでレシピ本出すんなら、私だったらエビリティのレシピ本ほしいです。ベトナム料理の回がおいしそうだった記憶があります。(本当はそんな回ありません。何巻だっけ、アルベルトとユキ編を勝手に私がそう呼んでいます)。ベトナムコーヒーもエビリティ読んで知りましたし、この回以外でもおいしそうな料理がやまほど出てきますよね、このシリーズ。ドライトマトとキャベツのパスタは真似して作ったことあったなー(かなり自己流になったけど)。


コメント

りょう
2013年4月6日14:18

Dさんなら買ってくれると思ってました~。
どんな本なのか興味はあったけど、レシピ本はいらないや、とスルーしてしまったので、中身が分かって嬉しいです♪

>どの作品のどのあたりで出てきたレシピなのかすぐわからないものもが結構多かったです。

これはもったいない作りですね。このコンセプトで本を作るなら、作品中の料理描写を写真の下に引用して、括弧内に作品名とページ数も入れてほしいです。
それか榎田さんのエッセイ風の文章を全部に入れるとか…。

エビリティもよさそうですね。
他にレシピ本を作って欲しい作品を考えてみたのですが、料理は美味しそうだけど作品じたいがマイナーとか、高級フレンチだから素人には無理(『愛と混乱のレストラン』)とか、意外と思いつきませんでした…。

”D”
2013年4月7日21:10

> Dさんなら買ってくれると思ってました~。
やっぱり?(笑)

> このコンセプトで本を作るなら、作品中の料理描写を写真の下に引用して、括弧内に作品名とページ数も入れてほしいです。
同感です。レシピ本自体は数限りなくありますから、やっぱり榎田ファンに的を絞ったほうが良かったのでは…と、内容的に繰り返しになってしまいますが。そして普段レシピ本見ないような榎田ファンにも手に取って頂くという戦略で。いや戦略っていうか…。私が戦略とか言うのもヘンですけど。

> エビリティもよさそうですね。
それなりにシリーズの長さもあるので、品数は揃うと思うし、それなりに読者もいるはずだし、作って売ってみたいです…ってまた私が言うのはヘンですが(笑)

> 『愛と混乱のレストラン』
あー、いいですね!!
そして作ってみて、「ウ・マイ」と言う、と(笑)。
高級フレンチだけど、アレンジレシピじゃだめかなあ…。それかホントはこの材料だけど、これで代用して、と注釈つきにするか。(そういうレシピ本見たことあります。一般向けレシピ本のつもりらしいのに高級食材ズラリな料理ばっかり載ってて、なにこれどうすりゃいいのと思ってたら代わりにこれ使ってと書いてあるという)。

…なんでこんなに考えてるんだろう(笑)。