単行本 世界文化社 発売:2013/11/02 1,728円

アーシャのごはん帖をやっているとき参考にした本のひとつです。
この本からソテーサラダのヒントを得ました。

最初、本屋でこの本を手に取ったのは、帯のコピーがまず目を引いたからでした。「フレンチの賢人、谷昇シェフ 極旨の59皿レッスン」と大きめ太字で書いてあって、さらに寄って見るとその近くにもう少し小さい字で「初めての人でも本当においしく 料理上手の人にこそ基本に戻ってお教えしたい 料理の基本とコツどころ」と書いてありました。とくに「フレンチの賢人」っていうのがなんかすごくいいって思った。

そこで、ほほう、と思ってぱらっとめくると、最初のほうに、「誰でも料理が美味しくできる、いくつかのヒント」というのが書いてあって、10個ぐらいの項目と、なぜそうなのか、という理由が書いてあり、それがけっこう納得できるものでした。たとえば、「グラグラ煮立てない 煮込み料理やじゃがいもをゆでるとき、ボコボコと沸騰する火加減は必要ありません。煮込み鍋の中で素材が踊るようではスープが濁り、煮崩れて仕上がりも美しくなく、食感も楽しめません。煮込み料理の火加減は強火にしないことが鉄則です」
これを私は素直になるほど、と思えました。この人の言う通りにしてみよう、と。(ちなみに、いままでも別に、そういうとき強火にはしていなかったんですけど、そのことに自分の中で理由はなかったんですね。)

私はこういう料理の本が好きでよく買ってるんですけど、ちょっと作っただけですぐ古本屋に出してしまう本も多いです。手元に残して繰り返し利用するかどうかの分かれ目は、結局のところ著者が好きになれるかどうか、ですね(笑)。「人の好き嫌い」をはっきりと言うことは、なんだか良くないことのように思えて、「わかりやすく書いてあっていい」とか言い換えようとしてしまったりするんだけれども(笑)。

「フレンチの賢人」ではありますが、載っているレシピは、「ビストロ流~」のタイトルが示す通り、いわゆる「日本の洋食」が中心(読み進んでいくとけっこう本格的なフレンチのレシピもありました;訂正)。かにクリームコロッケや、オムライスなど。でもこのあたりをキチンとしたフレンチの基本的技術で作る、そんな感じの本なんじゃないかな、と思います。この本の通りにちゃんとやるようすれば、ワンランク上の家庭料理になる、みたいなそんな気がする本です。


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